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    潮田登久子/Tokuko Ushioda(写真家)

    1940年 東京生まれ。写真集「冷蔵庫(1996)」「HATS(2004)」などを発表。1981年に始まった冷蔵庫の撮影は、現在も続いており、その数は200を超える。

    また、夫である写真家・島尾伸三との共著「中華人民生活百貨遊覧」「中国製造」など、中国庶民の生活や雑貨などを撮ったシリーズがある。娘は漫画家・イラストレーターのしまおまほ。

    http://www.catnet.ne.jp/usimaoda/



    これが潮田さんのカメラ、6×6一眼レフのzenza BRONICA S2。仕事ではデジカメとかを使うらしいけど、作品はすべてこのカメラで撮影するんだとか。

      


    時間が経ったものを、愛おしく思う気持ち 世田谷編


     吉祥寺から私鉄を乗り換えて30分、潮田さん家を訪れ、フレデリックの映像をお見せした。見終わった後、「凄くいい環境でやってる人がいるから見てみて」と、別の部屋でお仕事をなさっていた島尾さんを呼んでもう一度映像を見るほど、フレデリックを気に入ってくれた潮田さん。そういう時、僕はとっても嬉しくて、もう一回島尾さんに説明するのでした。


      


     潮田さん家はいろんな小物で溢れていた。聞いてみると、最近友人の引っ越しに行って来たらしい。お手伝いではなく、「いらないもの」をもらいに。その品々が、さっき目にした小物の大群。よくみると、ほとんどががらくたと言っていいほどくたびれている。それを嬉しそうに僕に見せる潮田さん。

     尋ねてみる。
    「なんでいらないものとかもらってくるんですか?」
    「時間が経ったものって、そうそう買えるもんじゃないから」と、潮田さん。
     雛壇のように置かれているその中に、カボチャの入れ物があった。
    「これ、可愛いですね」
    「いいでしょ、これ。すごくかわいいでしょ」
     そういって、満足げに大分色が禿げたフタを撫でる。
    「かといって、どう使うか私にも分からないの」


      


     潮田・島尾家は、飾り物や小物だけじゃなく、食器などもほとんどが貰い物で、自分たちでは買わないという。
     ある人はそれをいらないというし、それをいるという人がいる。
     片目が禿げたフランス人形を、どうしようといういわけでもなく、家に持ち帰り、陳列に加える。一方フランスの片田舎では、拾われた年代物のレコードプレーヤが作品の一部となる。どちらもまた、それぞれのスタイルで、新たな時間を刻み始める...
     なんだか果てしなく遠い気がしていたカッセルと世田谷が繋がった気がした、空が低い土曜日の午後でした。





    潮田さんの代表作。家族の象徴である冷蔵庫なんですが、何個か見ていくうちに、佇まいが人間らしく思えてくるのが不思議です。


    カラフルな中国の雑貨をたくさん集めたもの。おもちゃ箱みたいで、この本自体も「中国製」らしさを醸し出しています。


    中国庶民シリーズ(勝手にそう言わせてもらいます)の第一弾、今から20年以上も前のものです。とにかく楽しくて懐かしいです。